「すまない」 エルロンドは、読んでいた本から顔をあげて言った。 「今更」 キッチンでつぶやくのは、グロールフィンデル。 本日、双子は友人と約束があるとかで留守だった。 エルロンドは、家事などまったくできない。 人の上に立つことだけを教え込まれてきたので、 自らそんなことはしないのである。 ちなみに、銀行の頭取とさしで話はしても、 キャッシュディスペンサーでお金を下ろすこともできない。 というか、必要なら頭取が自ら現金を持ってやってくるほどである。 であるから、もちろんスーパーで買い物なんかもしたことがない。 自動販売機でジュースを買ったこともないし、 公衆電話で電話をかけたこともない。一般人の当たり前が通用しない人物である。 そんな男が、今までどうやって生活してきたのか。 答えは簡単。 誰かが常に世話を焼いてきたのである。 ギル=ガラドの屋敷で生活していた頃から、 まずグロールフィンデルがべったり張り付いている。 エルロンドと違い、何でもできる男だ。 次には奥さん。 お嬢だが、なんでもこなしたし、そのフォローはグロールフィンデルがしていた。 奥さんが亡くなられてからは、 しばらくまたグロールフィンデルが家事一般を請け負っていたが、 そのうちかわりに息子たちがやってくれるようになった。 そして、最近、同棲結婚宣言。 今まで友人と遊ぶことも後回しに父親の面倒を見ていた息子たちは、 やっと少しばかり開放されたと、外出が増えた。 しかし! 同棲相手のレゴラスは、これまた家事のできない奴であった。 まあ、男の子だし、宝石商の御曹司だし、 自らの家では家政婦が何から何までやってくれているので、当たり前といえば当たり前。 で、息子たちのいないレゴラスと二人きりのときはどうしているのか。 ケータリングサービスである。 言っておくが、エルロンドはレゴラスが来るまで、 そんなものを食べたことはなかった。金持ちであるレゴラスだが、 彼はジャンクフードが大好きな現代っ子食生活である。 まあ、エルロンドと食事をするときは、高級料理の特別注文になるわけなのだが。 電話をかけていたのは、すべてレゴラスであった。 自ら作れなくても、調達はできる少年である。 さて、久々にグロールフィンデルのお出ましになったのは、 そのレゴラスもいなかったからである。 朝からエルロンドは何も食べていなかった。 本を読んで日中を過ごし、夕方、さすがに腹が減ってグロールフィンデルを呼び出した。 「休みなのに、呼び出したりして」 今までは当たり前の呼び出しだったが、そんなことを口にするのは、 最近無趣味のグロールフィンデルにも私用ができたからである。 「いいえ。特に用事もありませんでしたので。 誰もいないなら、もっと早くに電話をしてくださればよかったものを」 さすがにエルロンドは肩を落として見せた。 「レゴラスはこの三日ほど・・・・・」 「父親と海外に行っているのでしょう?」 何で知ってる・・・・? なんて野暮なことは言わない。 なぜなら・・・・そうなぜなら、グロールフィンデルが休日暇なのは、 その同じ理由からである。 「・・・・・うむ」 小さくつぶやいて、エルロンドは本に視線を戻した。 こうして大の男が二人、閑散.とした屋敷に二人だけというのは・・・・ お互い恋人不在のむなしさがあったりする。 「できましたので、冷めないうちにお召し上がりください」 皿を並べながらグロールフィンデルは言った。 席についたエルロンドは、一瞬躊躇してから食事を一口、口に入れた。 「・・・・・味付けが、少し変わったようだな」 「そうですか?」 味付けだけではない。メニューもだ。 エルロンドは肉より魚の方が好きだったし、野菜メインのメニューを好んでいた。 グロールフィンデルも、そんな食事をいつも用意してくれていた。 だが今回のメインは、肉、である。味も今までより、少し濃い。 「それに・・・酒のつまみを作られても・・・・」 並んだ皿につぶやいたエルロンドに、グロールフィンデルはハッと気がついた。 ここ最近のくせが、つい出てしまったらしい。 「いや、いいんだ」 あわててエルロンドは首を横に振った。 そんな時である。 玄関の呼び鈴が鳴った。 グロールフィンデルが玄関に出ると、そこに問題の少年が立っていた。 「レゴラス・・・?」 「あ、グロールフィンデルさん、こんばんは」 驚きもせず、にっこりと笑う。 「出張ではなったのか?」 「予定より早く片付いたんです。それで、少しでも早くエルロンド様に会いたくて」 出てきたエルロンドを見たとたん、レゴラスの顔がぱあっと輝く。 「レゴラス」 そう呼ぶエルロンドの顔もにやける。 「会いたかったです!」 抱きついてキスをする二人。ほんの二日会わなかっただけなのに。 グロールフィンデルは肩を落としてドアを閉めた。 そのままびったりと抱擁し、一ミリも離れようとしない二人に、 グロールフィンデルはため息をついた。 いいかげんにしなさい。 そう言いた気に。 「レゴラス、食事は?」 とりあえず、声をかけてみる。 エルロンドに引っ付いたまま、レゴラスは顔だけをグロールフィンデルに向けた。 「食べていません。早くエルロンド様に会いたかったから」 それはわかったから。もう・・・・。 「ちょうど仕度していたところだ。入って食べなさい」 名残惜しそうに、また何度かキスをしてから、 やっとバカップルふたりはリビングに入っていった。 エルロンドとレゴラスが並んで席に座り、 食べにくいだろうと思われるほど密着しながら食事をとり始めると、 またもや呼び鈴が鳴った。 見ているのもうんざりと、グロールフィンデルはすぐに玄関に向かう。 ドアを開けて、グロールフィンデルは一瞬硬直した。 「おう! うちの馬鹿息子は来ているんだろう?」 挨拶もなしにそう叫んだのは、レゴラスの父親、スランドゥイルである。 「・・・・・・今、奥に・・・・」 「邪魔するぞ」 うろたえを隠すグロールフィンデルを無視して、どかどか入り込む。 「コラ! レゴラス!!」 ニコニコとエルロンドに引っ付いていたレゴラスは、 「あ、父さん」 と、間抜けた返答をした。 「お前!! 契約書、持ったままどこに消えたのかと思えば!」 「あ、そうだっけ? ごめん」 「ごめんじゃない! よこせ! 早く!」 ちぇーっと舌打ちして、 レゴラスは投げ出してあった自分のかばんから書類を取り出して父親に手渡した。 「ったく! 我が息子ながら、色ボケしおってからに!」 「なんだよ! 出張、ちゃんと付き合ったじゃない」 「当たり前だ! ったく!」 ぶつぶつ言いながら、スランドゥイルは書類を自分のブリーフケースにしまった。 「スランドゥイル殿、食事は?」 無視されたことに腹を立てることもなく、エルロンドが問う。 「それどころじゃなかったわ! ったく! 今からきれいな姉ちゃんのいるレストランにでも行くわ」 「では、お仕事は順調だったのですね?」 「当たり前ですよ〜。僕が一緒だったんですから」 レゴラスは悪びれない。 「では、お時間があるのでしたら、ご一緒にいかがですか?」 居間の入り口で硬直しているグロールフィンデルをちらりと見て、 エルロンドは微笑んで見せた。 「あ〜? 何が楽しくてお前らと顔を突き合わせてメシなど食わなきゃならんのだ」 スランドゥイルの悪態は、いつものことである。 「グロールフィンデルが作ってくれたのですが、余分がありますので」 スランドゥイルは、テーブルに並んだ皿をしげしげと眺めた。 そこには、彼の好きなメニューがびっしりと・・・。 「・・・・・・うむ、まあ、どうしてもというなら、食ってやってもいい」 「またそういうことを言う! いいよ、僕が全部食べるから! 父さんはお姉ちゃんはべられに行けば?!」 息子の挑発に、むっとしたスランドゥイルは大股にテーブルに歩み寄る。 慌てて寄ってきたグロールフィンデルが、空いている席を引いた。 当たり前のようにスランドゥイルは座る。 それから、グロールフィンデルは素早く皿の位置を買え、 奥から来客用のフォークやら何やらを運んできてスランドゥイルの前に並べた。 礼も言わず、スランドゥイルは食べ始める。 一安心したように、エルロンドもレゴラスも食事を再開した。 三人が食べている間、グロールフィンデルは給仕に徹している。 そういう男だ。プロのウェイター並の手さばき。 「美味いな」 食道楽のスランドゥイルは、それとなくグロールフィンデルがそばに来たときに呟いた。 「・・・・・」 グロールフィンデルは何も答えないが、口元をわずかにほころばせた。 そんな二人を眺めていたエルロンドは、そうか、いつもそんな感じなのかと感心する。 スランドゥイルは、本当にさりげなく料理を褒める。 思えば実際、エルロンドはグロールフィンデルの食事を褒めたことはなかった。 あまりに当たり前になりすぎていて。 レゴラスは食べる事に集中していたし、 時々エルロンドを見て笑うだけで、正面の父親を気にかけていない。 エルロンドは給仕するグロールフィンデルと、給仕されるスランドゥイルを眺めて、 まるで10年も一緒にいる夫婦のようだと思った。 グロールフィンデルはスランドゥイルが何を欲しがるかを先読みして出しているし、 スランドゥイルはその動きにあわせていた。 「ああ、ワインが飲みたくなるな」 ちなみに、エルロンドの屋敷では、酒を飲む奴はいない。 「父さん、贅沢」 レゴラスがからかうようにフォークを向ける。 「美味いメシには、美味いワインが付き物だろう?」 「ここでは誰も酒を飲まないの」 「ワインなら・・・・・・」 空いた皿を下げにきたグロールフィンデルが、ぼそりと言った。 「私の車に」 は? とエルロンドがグロールフィンデルを見る。 「取ってこよう」 なんて用意のいい奴・・・。っていうか、お前、常備しているのか? 自分は飲まないのに? ちなみに、今日のグロールフィンデルは自家用車である。車庫に入れてあるはずだ。 「あ、グロールフィンデルさんの車、見たい! なんだか、アラゴルンが褒めてましたよ。珍しい車なんですって?」 ギョッとして、エルロンドはレゴラスの腕に触れた。ここにいなさい、と。 「私を置いて行くのかね?」 そんなことを言われて、レゴラスはとろけるようにはにかんで、 エルロンドの腕に絡みつく。 いちゃつく二人に、スランドゥイルはプチトマトを弾いて投げた。 「食べ物を粗末にしちゃいけないんだよ!」 「うるさい! わしの前でべたべたするな!」 プチ親子喧嘩の最中に、グロールフィンデルは急いでワインを取ってきた。 キッチンで急ごしらえのワインクーラーを作り、ワインを冷やす。 もちろん、スランドゥイルの好みの銘柄だ。 「お前も座って食ったらどうだ?」 せわしく歩き回っているグロールフィンデルを、スランドゥイルが呼び止める。 給仕が当たり前になっているグロールフィンデルは、少し驚いたような顔をする。 スランドゥイルは、自分の隣の椅子を蹴った。 「・・・・・・・」 いつも姿勢のいいグロールフィンデルが、うつむきぎみに座る。 そして、いつにもまして緊張気味に、少しずつ食事を口に運んだ。 それから、落ちつかな気にすぐに立ち上がると、冷えたワインを持ってきた。 「グロールフィンデルさんて、料理とかどこで覚えたんですか?」 さりげなくレゴラスが口にした言葉に、エルロンドの動きが一瞬止まる。 ワインを注ぎ終わったグロールフィンデルも、ぎこちなくその口を拭く。 それぞれの様子を見ていたスランドゥイルは、今度はパセリを息子に投げつけた。 「ヒトの詮索など、するものではない」 料理の上に落ちたパセリを見つめて、レゴラスが肩を落とす。 「ごめんなさい」 「いや、かまわない」 料理の上の鮮やかなパセリを拾い、グロールフィンデルは口元をゆがめた。 スランドゥイルをちらりと見て、レゴラスに視線を向ける。 「覚えていないのだよ、レゴラス。知ってはいるが、記憶はない」 謎解きのような、不可思議な返答。 複雑な、哀しげな、グロールフィンデルの表情に、 一瞬の間をおいて、レゴラスはにっこりと微笑んだ。 「・・・・でもきっと、グロールフィンデルさん、 料理を教えてくれた人のこと、すごく好きだったんでしょうね」 グロールフィンデルの表情が、抜ける。目をしばたたいてレゴラスを見る。 レゴラスは肉をフォークで刺し、口元に持っていった。 「料理をしているときのグロールフィンデルさんって、なんか、満足そうですもの。 なんか、義務でやっていると言うより、食べてもらう相手のために作っている感じ。 教えてくれた人を嫌ってたら、もっと嫌々になるでしょう?」 好き・・・・・? エルロンドは、そんな風に考えたことも、 そんな風にグロールフィンデルをみたこともなかった。 主に仕えるのが自分の役割だと、彼は常に言っていたし、 そういう風に訓練されてきたのだとばかり思っていた。 「・・・・・好き・・・・・」 グロールフィンデルが、呆然と呟く。 好き・・・・・・ 「・・・・・そう・・・・かも、しれないな」 エルロンドは何かを言おうと口を開くが、言葉が見つからない。 その代わり、じっとグロールフィンデルを見ていたスランドゥイルが、 さっと手を伸ばしてレゴラスの皿の上から肉を盗んだ。 「あ、父さん! なにするの!」 「無駄話しているから、もう食わないのかと思って」 「ひどい! 最後に食べようと思ってたのに!」 肉を飲み込んで、スランドゥイルはべっと舌を出す。 「エルロンドにでも貰え」 横目で見ると、エルロンドはメインディッシュをまだ食べ終えていない。 が、皿から皿へ料理を移動させるような無作法をすぐにできるような男ではない。 「えー、そんな下品なこと、僕できない〜」 わざとらしいぶった言葉に、エルロンドは躊躇し、グロールフィンデルは苦笑した。 笑った・・・・。 それさえ、エルロンドは驚いた。 「私のをやろう」 グロールフィンデルが自分の皿を出すと、 レゴラスの前に行く前に、半分はスランドゥイルに盗まれた。 「よく食べる親子だな」 「だって、美味しいから!」 親子は、声をそろえた。 こうして見ていると、仲のよい家族のようだ。 お互いをよく理解しあってる夫婦と、両親を無条件で愛している息子・・・・・。 って、では自分は夫婦の子供の旦那? それは・・・・。 エルロンドはちょっとばかり眉間にしわを寄せた。 ワインを飲んで気分のよいスランドゥイルは、 息子や恋人(と、宣言してようのだろうか?)に笑いかけ、 レゴラスは談笑を返し、グロールフィンデルは時々静かに笑う。 ああ、幸せそうだ。 そんなことを考えるエルロンドも、幸せの頂点にいるわけだが。 して、レゴラスは父親の恋人関係を認証しているのだろうか? まあ、そんなことはどうでもいいか。今更何も言うことはないだろう。 なんて、平穏で幸福な時間なんだろう。 この風景、エルロンドは、自分の会社の重役連中には見せられないと考える。 さしずめ、エレストールなどグロールフィンデルがおかしくなったと言い出すだろう。 グロールフィンデルがこんな風に穏やかに微笑む姿など、誰も知らないのだから。 「ごちそうさん。美味かった」 すべての皿が空になると、スランドゥイルは立ち上がった。 「じゃ、わしは帰る。レゴラス、明日はゆっくり休んでろ」 「ええ? いいよ、午後からでも出社するよ」 「一日早く仕事が終わったのだから、その一日はお前の休暇に当ててやる。 たまにはのんびりしてろ」 「でも・・・契約書が揃ったから、すぐにでも重役会でしょう? 僕がいなかった間のお得意先回りもあるし」 玄関に向かうスランドゥイルの後ろから、レゴラスが食いつく。 スランドゥイルは立ち止まって振り向き、息子の頭を片手でぐしゃっと掴んだ。 「少しはわしを信頼して、他の連中に仕事を任せろ」 唇を尖らせるレゴラスに顔を寄せて、そのしかめっ面にキスをする。 見ていたエルロンドもグロールフィンデルも、 手にしていたもの(口を拭くためのナフキンや、片付けかけていたナイフやフォーク)を、 床に落とした。 そんなエルロンドたちをちらりと見て、スランドゥイルはまたいたずらっぽく笑い、 息子をぎゅっと抱き寄せ、首筋に噛み付くそぶりをした。 「やだ、くすぐったいよ、パパ」 父親に甘えるときのレゴラスの口調。 オイ、ちょっと待て! そこの馬鹿親子! 「まあ、お前の手が必要になったら電話でもするさ」 二歳児が親に甘えるように父親にすりすりしてから、レゴラスは体を離した。 「ねえ、父さん、ところで、自力で帰るつもり?」 「当たり前だ」 「・・・・・・お酒臭いよ」 眉を寄せて、スランドゥイルは自分の腕の匂いをかぐ。 そんなところが匂うまで飲んだら、大変だって。 レゴラスは父親の唇に鼻を近づける。 「ワイン・・・・一本空けちゃったでしょう」 後ろのテーブルで、エルロンドは空になったワインのボトルを持ち上げた。 「飲酒運転、反対」 「大丈夫だ、これくらい」 「ダメ!」 そそくさと逃げようとする父親の腕を捕まえる。 「もう年なんだし、何かあったらどうするの!」 「・・・・運転はお止めになったほうが懸命です」 それまで黙っていたエルロンドも口をはさむ。 「ええい、お前には関係ないわ!」 「いいえ、最愛のレゴラスのお父上に何かあったら大変ですから」 今何か強調しなかったか? スランドゥイルが口元を引きつらせる。 「ったく、うるさいな。タクシーでも呼べってか?」 「いいえ、車の運転なら」 一同の視線が、テーブルを片付けていたグロールフィンデルにさーーーっと集まる。 顔をあげたグロールフィンデルは、いつもの冷静な表情で、 「片付け終わるまで、しばらくお待ちください」 と答えた。 今度はスランドゥイルに視線が集まる。 「あーったく! わかったわかった! うるさい連中だな。ただし・・・」 びしっとグロールフィンデルを指差す。 「暴走運転しやがったら、吐くからな!」 スランドゥイルの車は、翌日レゴラスが自宅まで持っていくと言う約束で、 その夜スランドゥイルはグロールフィンデルの自家用車で帰宅となった。 「銀の跳ね馬か・・・すごい車ですよね」 窓辺で呟いたレゴラスに、エルロンドはぎくりとした。 以前、その車のことで悶着があったのだが・・・・レゴラスは覚えていないのだろうか。 「あれって、世界に何台くらいあるんでしょう?」 「銀のフェラーリというだけなら、黒のベンツと同じくらいはあるだろう」 なんて、適当に答えてみるエルロンドである。 グロールフィンデルの車は、特別限定車で、同じ車は世界に2台もないのだが。 「・・・・そうですよね」 レゴラスが車に疎くて助かった。 これが車好きなアラゴルンやガンダルフだと、誤魔化しは利かない。 いや、もういいだろう? 誤魔化さなくても・・・。 「グロールフィンデルさんに任せておけば、安心ですよね」 レゴラスはにっこりと微笑み、エルロンドも微笑み返した。 「そうだな」