1・ファン倶楽部

 

 ドイツ軍の会報を見ているジョルジュ君。

(広報部が勝手に作ったんだな)

「へえ、ジョルジュのファン倶楽部ですか」

 後から覗き見るお父さん。

「盗み見るの、やめてください。見たかったら、貸しますから」

 まあ確かに、ファン倶楽部なんてものがないわけでもなかったりするが、
それは本人の計り知れない所。
勝手に盗み撮り写真を掲載されるのは、あまり気持ちよいものではないけれど。
けれど、この写真が実に良くできていたりして、これをザナドゥも見るのだとしたら、
まあまあ許せるかな、とか。

「お父さんの時には、なかったんですか? けっこう人気者だったって聞きますが」

 ニヤリと笑って見せると、パパは照れたように両手を顔の前でひらひらと振る。

「そんなのないですよぉ」

「本当に?」

「ええ、だって」

 思い出して「フフフ」と笑うヘルガさん。

「私のときは、スコルピオン以外、全員下僕でしたから」

 

 

 

2・出生の秘密

 

「ボク、本当はお父さんの子供じゃないんです!」

 幼少のチビコロ・ジョルジュ君は、突然言いだした。

「ボクは病気で、カラダがばらばらの状態で生れたんです。
それで捨てられたので、お父さんがボクを手術で繋ぎあわせて、
今のカラダにしてくれたんです! 
だから本当は、ボクは18才で、お父さんのお嫁さんになるのです!」

 力説する5歳児に、スコルピオン、冷汗。

「なんか、悪いもん、喰ったか?」

「あ、さっき『ブラック・ジャック』読んでましたよ」

 ヘルガさん、さらり。

(五歳児の読む漫画じゃないし)

 

 

 

3・サンタさんにお願い

 

「お父さん、またやってるんですか?」

 クリスマス・ツリーを前に、嬉しそうに短冊を書いているヘルガパパ。

「ザナドゥが書いてもいいって」

 がっくり肩を落すジョルジュ君。

「ザナドゥ〜?」

「日本の風習なんだろう?」

 けろっとしているマイ フューラー。信じてたんかい?

「おじさん〜なんとか言ってください」

 とりあえずスコルピオンに助けを求めてみるが、

「いや、俺が言って聞くようなヘルガじゃないし」

 尻に敷かれてるよ。

「ほら! できましたよ! スコルピオンの分も書いたんです」

 にっこりハートマークをつけて、短冊を出すヘルガ。

「ほう?」

 短冊を受けとったスコルピオンの頬が、ピクリと引きつる。

『スコルピオンのあたまがよくなりますように』

 短冊を見たザナドゥ、一言。

「そりゃ、サンタでも無理だ」

 なにおぅ?! やるかぁ?! 表へ出ろ!!

 暴れるスコルピオンおじさんに、溜息のジョルジュ君。

「それ、今週の『電王』ネタですね、お父さん」

「ナマモノのネタは、早くやっておかないと」